自然毒と原因となる食品の組み合わせで正しいものをすべて選べ。
- テトロドトキシン ー フグ
- アフラトキシン ー 貝類
- ソラニン ー スイセン
- アコニチン ー トリカブト
- アミグダリン ー ツキヨタケ
- チャコニン ー じゃがいも
解答は①、④です。
自然毒とは、植物や動物がもともと保有している、または食物連鎖により体内に蓄積されるなどした有毒成分のことです。
食中毒の原因となる自然毒は 植物性自然毒と動物性自然毒に分けられます。
それぞれの記述について見てみましょう。
この組み合わせは正しいです。
テトロドトキシンはフグ自身が生成するものではなく、食物連鎖の過程で蓄積されていく蓄積性の有毒成分です。
細菌によって生成され、食物連鎖によって大型の生物に移行すると考えられています。
なので、フグ以外に広く生物界に分布しています。
しかし、その生合成経路は未だに解明されていません。
テトロドトキシンはNa+チャネルに結合し、膜電位の発生を阻害することにより運動神経を麻痺させます。
この組み合わせは誤りです。
アフラトキシンはアスペルギルス属の一部のかびが産生するかび毒です。
原因となるかびが寄生する穀類、落花生、ナッツ類、とうもろこし、乾燥果実などに多く見られます。
食品から検出されるのは主にB1、B2、G1、G2の4種類があります。
M1、M2は動物の体内でそれぞれ飼料中のB1、B2が代謝されて生成し、乳中に含まれます。
アフラトキシン類は人の肝臓に発がん性があるとされています。
中でもアフラトキシンB1は最も強い発がん性を有しています。
食品衛生法では、総アフラトキシンが10 μg/kgを超えて含有する食品は第6条第2号に違反するものと定めています。
この組み合わせは誤りです。
ソラニン、チャコニンはじゃがいもの芽や緑色になった部分に多く含まれています。
これらを多く含むじゃがいもを食べると下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が現れることがあります。
ソラニン、チャコニンは加熱によって多少分解されるうという報告はありますが、確実に取り除くことはできません。
なので、加熱調理をしても毒素を完全に取り除くことはできません。
中毒防止のために調理の際に芽や緑色に変色した部分を取り除くことが重要です。
ちなみにスイセンの自然毒はリコリン、タゼチンといったアルカロイドが含まれています。
ニラやノビルと間違えて食用し中毒を引き起こすことがあります。
この組み合わせは正しいです。
アコニチンはトリカブト属の植物に含まれる主要な自然毒です。
アコニチンは神経細胞のナトリウムチャネルのαサブユニットに作用します。
その結果、ナトリウムチャネルの不活性化を抑制し、神経を興奮、麻痺させます。
主な症状として、口唇や皮膚の灼熱感、流涎、嘔吐、歩行困難、呼吸困難があります。
また、呼吸中枢麻痺によって死に至ることもあります。
毒矢に用いられたことでも有名ですね。
また、トリカブトの球根を乾燥させ修治と呼ばれる処理を行ったものを生薬の附子(ブシ)と言います。
この組み合わせは誤りです。
アミグダリンはバラ科サクラ属のアンズ、ウメ、モモ、アーモンドの未熟果実の種子の仁に多く含まれる青酸配糖体です。
青酸配糖体とは、分解によりシアン化水素(青酸)を生じる自然毒のことを指します。
シアン化水素は細胞内に取り込まれ、ミトコンドリアの電子伝達系をブロックします。
そうすることによってミトコンドリアのATP産生が阻害され細胞活動が停止します。
シアン化水素に暴露した直後は頭痛・めまい・嘔気などの初期症状が現れます。
その後、次第に過呼吸、頻脈を合併し、不安・焦燥発作が起こります。
さらに中毒症状が進行すると呼吸抑制、徐脈になり死に至ることもあります。
アンズやモモの仁は桃仁(トウニン)、杏仁(キョウニン)と呼ばれる生薬としても活用されています。
この組み合わせは正しいです。
解説に関しては③の記述をご参照ください。
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最後までご覧いただきありがとうございました。