こんにちは、ご覧いただきありがとうございます。
今回は薬剤師になった後、どのような就職先があるのかを紹介したいと思います。
薬学部を目指す方、現在薬学部に通っており、就職先を検討している方はぜひ参考にしてください。
まずは薬剤師の人数について見てみましょう。
薬剤師の人数は2年毎に調査があり厚生労働省より公表されています。
直近の令和2年の薬剤師統計を見てみましょう。
現在、日本には321,982人の薬剤師がいます。
そのうち約6割が女性、約4割が男性です。
ちなみに1回前の平成30年調査での薬剤師の総数は311,289人だったので、2年で約1万人増加しました。
男女比は横ばいです。
次に勤務先について示します。
見て取れるように薬局と病院・診療所などの医療機関で全体の約8割を占めています。
ここからはそれぞれの勤務先について主な業務について紹介していきます。
薬剤師免許をとったらまず就職先として思い浮かぶのが実臨床の現場だと思います。
実臨床の現場としては主に病院・診療所、調剤薬局、ドラッグストアが挙げられます。
それぞれの特徴を紹介します。
まずは実際に私が勤務している病院についてご紹介します。
病院と一言にいっても様々な規模があるので、一概には言えませんが私が勤務している中規模総合病院では主に以下のような業務を行っています。
- 内服・外用・注射薬の調剤
- 医薬品在庫管理
- 抗がん剤、中心静脈栄養の無菌調製
- 病棟常駐、病棟薬剤業務、薬剤管理指導(薬の説明)
- 各診療科の回診、カンファレンスに参加
- 調剤薬局からの疑義照会への対応
- 医薬品情報管理
- 近隣調剤薬局との薬薬連携、研修会の実施
その他にも業務はありますが、主なものを挙げると上記のような業務を行っています。
他の勤務先にはない病院の大きな特徴としては
- 医師との距離感が近い
- 様々な診療科の処方を経験できる
- チーム医療への積極的な参加
が挙げられると思います。
なので、私個人として、また私の所属していた研究室の教授の意見として、大学を卒業し薬剤師免許を取得したらまずは総合病院に勤務してほしいと思います。
数年間でもいいので総合病院で様々な症例を学ぶことは、経験を積む上で大きな意味があると思います 。
ただ、病院勤務では当直業務などもあるので、病院の規模や薬剤師の人数にもよりますが、夜間、休日の勤務も発生します。
私が勤務している総合病院では平均して月に3回程度、当直勤務があります。
当直は一人体制で行っているので、基本的なことはすべて一人でできるようになっておかなければなりません。
また、大学病院ではあれば研究機関としての側面もあるのでテーマを決め、自身で研究を行うこともあります。
次は最も多くの薬剤師が従事している調剤薬局です。
調剤薬局については実際に私が勤務したことがあるわけではないので、詳しいことは紹介できません。
友人や知人の薬局経営者、従事者に教えてもらった内容をもとに紹介します。
主な業務としては以下のようなものがあります。
- 処方せんの応需、調剤
- 薬剤管理指導
- 医薬品の在庫管理
- かかりつけ薬局、地域連携薬局
- 在宅サービス、施設への訪問
- 学校薬剤師
調剤薬局では主に医療機関からの処方せんをもとに調剤、薬剤管理指導を行います。
なので、総合病院の門前なのか、それとも単科の診療所の門前なのか、また、不特定多数の医療機関の処方せんを扱う面薬局なのかによって取り扱う薬が大きく異なります。
また、最近では無菌調製設備を備えた調剤薬局も増えていますが、やはり病院に比べ注射薬を取り扱う機会は少ないです。
最近では在宅医療や施設への訪問、薬の交付を行う薬局も多いです。
また、かかりつけ薬局や地域連携薬局といった制度もあり、患者さん自身が薬局、信頼できる薬剤師を選び、パートナーとして充実したサポートを提供することが可能です。
病院、薬局ともに多くの患者さんに対応しますが、薬局のほうがより患者さんにとって身近で相談しやすい薬剤師になると思います。
なので、人との関わりが好き、患者さんにとってより身近で相談ができる薬剤師を目指す方には薬局がおすすめです。
ドラッグストアに関してっも私自身が勤めたことがないので詳しいことは紹介できません。
こちらも友人、知人に教えてもらった内容をもとに紹介します。
主に処方せんを受け付けているドラッグストアの薬剤師の業務は以下のとおりです。
- 調剤薬局が行う業務全般
- OTC薬(市販薬)の販売、相談応需、説明
基本的には処方せんを受け付けていれば調剤薬局と同様の業務をベースに行っていることが多いようです。
その他の大きな業務の柱としてはOTC薬(市販薬)の販売があります。
みなさんもドラッグストアに一度は行ったことがあると思います。
ドラッグストアには数多くのOTC薬がおいてありますよね。
風邪を引いたとき、痛みがあるときなど、病院に行くほどではない症状のときにお世話になる方も多いかと思います。
ただ、種類が多すぎて我々薬剤師でもすべての商品の特徴を把握することは難しいです。
薬剤師ではないお客さんではなおさらですよね。
ドラッグストアの薬剤師は薬の専門家として、お客さんの症状をきき最適な商品を選択します。
自身に薬の選択権があり、知識を最大限に活かせるのでOTC薬販売はやりがいがあると思います。
ドラッグストアでは医療機関からの処方せん、OTC薬の販売のどちらも業務の柱として行えるので薬の知識を最大限に活用できる勤務先だと思います。
その他の勤務先については簡単に紹介します。
医薬品関連企業では研究開発と医薬品の営業、卸売販売などがあります。
こちらは必ずしも薬剤師免許を必要としないので、以前紹介した4年制の薬学部でも問題ありません。
薬学部を目指す方必見!!薬学部の現状大学の教員や薬剤国家試験対策予備校の教員になるという選択もあります。
研究が好き、人に教えるのが好き、後続を育てるのが好きといった方は選択肢の一つにいれてもいいかもしれませんね。
一番身近なのは保健所の薬剤師ではないでしょうか。
水質や大気、臭気の検査なども行うようです。
県や市の公務員として公務員試験に合格し、配属されるといった形でしょうか。
詳しいことはご自身のお住まいの地方自治体に確認してみると良いと思います。
ここまで薬剤師の人数や勤務先について紹介しました。
ご自身がどのような薬剤師になりたいのか今一度考えてみて、ご自身の目指す薬剤師像に近づける勤務先を選びましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。